銅版画制作の最後の苦労、色が決まるまで…
今日はようやく完成した銅版画の、刷って色が決まるまでの過程をお見せします。
「この色!」となるまでには、結構枚数を刷ることになります。
たま〜には初回で決まることもあるんですけどね…。
色を決める過程は大変ですが、パシッと決まった時はとっても嬉しいのです〜!
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猫と香水の色を出すのに苦労する
7月にはこの状態まで、版は出来ていました。
7月10日の記事
【猫と香水瓶、春のうさぎ。銅版画が着々と。】
http://pu-ku.net/archives/5428
その後、他に進めたい銅版画に手をつけて、こちらの版は放置していました。
この版はいい感じで進んでいたので、あんまり焦って失敗したくなかったのもあります。
9月下旬から、ようやくこの班を進めました。
この後「ソフトグランドエッチング」とか「アクアチント」といった制作工程を経て、試し刷りをすることにしました。
まずはセピアの単色で画用紙に試し刷り。
単色の濃い色で刷って、ちゃんと腐蝕されているかを確認します。
今回は細かいトーンまできちんと腐蝕されていました。
気になるのは全体的に版が綺麗すぎることでしょうか。
特に蝶々の周囲にもう少し「汚れ」があったらよかったなと。
次は版画用紙の「ハーネミューレ」に試し刷り。
いつも私が使ってる色に調合したインクを詰めました。
うーん、思ったよりも色が渋い。
特に花のあたり。
エッチングの線がしっかり濃いので、インクの色もかなり濃いトーンで出てしまってます。
香水瓶とか猫のあたりは悪くないですが。お
そしてやっぱり版の汚れがないことも、気になります…。
それでもシルクに刷ってみたら印象が変わるかも!
と紅茶染したシルクにも刷ってみました。
あー、やっぱり蝶々や花のあたりの色が渋すぎる。
香水の「香り」を表したかったので、もう少しクリアーな色に変えることにしました。
版の汚れがなくつるっとしてる印象は、シルクに模様があることもありそれほど気にならないかな。
でも、紙にも刷ることを想定して、もう一工程作業することにしました。
少しずつ、色がイメージに近づきます
今度は花の部分を普段使う色よりも、かなり発色のいい赤とかイエロー、それに普段あまり使わないライトグリーンも使いました。
うん!この感じは好きだ。
ただ、イエローが目立ちすぎかな…。
イエローの一部を、赤茶にしてみます。
そして更に刷りました。
前と変えたところは、グリーンをもう少し濃く。
蝶々の茶色は濃いセピアに。
小さな花を赤茶色にして見ました。
おおお!!!これよ、これ!!
「決まった〜〜〜〜!!!!」と叫びたくなります!!!
この週はちょっと憂鬱なこともあったのですが。
色が決まったことは、そんなモヤモヤも吹き飛ぶような嬉しさでした。
なんて。
こうやって見ていただいても、みなさんにはそんなに違いはわからないかも?
私が描くとき、イメージは明確にあるわけではないのですが。
実際に色を入れてみると「違う」か「これだ!」がわかってきます。
面白いですよね。
そして、早速バッグに縫い付けてます。
久しぶりにジャガード織りの生地を使って、トートバッグを制作しています。
このバッグで11月18日から神戸元町の雑貨店『アトリエシード』さんで開催させていただく*PUKU*の個展のDMにしようと思ってます。
タイトルも考えなきゃ…。
「猫と香水」じゃそのままですもんね💦
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最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
乙女ココロ 浪漫ちっく バッグ&雑貨の*PUKU*(ぷく)のバッグデザイナーのゆうもでした!
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