なくなってしまった小さな喫茶店のこと

2014-11-09 | Posted in OthersComments Closed 

こんばんは、乙女ココロ 浪漫ちっくバッグ&雑貨 *PUKU*(ぷく)へようこそ!
バッグデザイナーのyuumo(ゆうも)です。

更新を一週間ほどお休みさせていただきました。
11月3日深夜に、夫の父(私の義父)が亡くなりまして、お葬式が終わるまでは、ブログとSNSの更新をお休みしていました。
昨日無事に義父の身内だけの小さなお葬式が終りました。

義父は87歳でした。
この半年ぐらいはあまり調子が良くなくて、夏に肺炎になった時には「覚悟をしておいて下さい」と言われていました。
肺炎は一時的に治ったのですが、義父の体調はよくなることはありませんでした。

義父のことを考えていて。小さな喫茶店『若葉』のことを思い出しました。
若葉は、義父が定年後まもなく始めた喫茶店です。JR横浜線の十日市場駅からすぐのビルの2階にありました。
サイフォン仕立てのコーヒーを出す喫茶店でした。

義父が希望して始めた喫茶店でしたが、義兄が店長、義母がスタッフとして働きました。
夫はオープン当時(30年近く前でしょうか)はデザイン事務所でグラフィックデザイナーをしていたのですが、『若葉』のロゴマークをデザインして、マッチとか看板を作ったりとお手伝いをしました。
絵が好きなご両親は、夫の油絵画とか鉛筆画も展示していました。

私と夫は、夫がイラストレーターとして入社した次のデザイン事務所で知り合いました。
付き合うようになって間もなくしてから、『若葉』に連れて行ってくれました。
その頃は若葉がオープンして5年ぐらいかな?

141104_01

こちらはその頃の写真です。
私が撮りました。
左から、義母、義兄、義父、夫。

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この写真は夫が撮影したおかあさんと私。

私は、この喫茶店『若葉』がとても好きでした。
最近よくあるお洒落なカフェではなくて、昔懐かしの喫茶店。
香り高いサイフォンコーヒーと、美味しいランチ。
そして義母がとても綺麗好きだったので、いつでもほこりひとつない清潔な店内。
何よりも、夫の実家の人たちの醸し出すもの静かで優しい空気が大好きでした。

若葉は14年続きましたが、義父が脳梗塞で倒れてまもなく閉店しました。
閉店の時には、常連のお客様がとても惜しんだということです。
花束をいっぱいもらったと聞きました。

土曜日の義父のお別れ式の時には、義父の祭壇にはサイフォンコーヒーのセットやコーヒー豆、それに夫の描いた義父の鉛筆画などが飾られていました。
義兄が義父のためにサイフォンコーヒーをたててくれました。
義父に、最後のコーヒーを捧げました。
お別れ式の間、ずっと喫茶店らしくジャズが流れていて、一日だけ若葉が蘇ったようでした。

義父は旅立ちましたが、若葉はずっとみんなの心に残っています。
私も忘れません。


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